香港エクスプレスでの深夜便搭乗から、香港到着後の入国・両替して、準備万端です。
今回はいよいよ、このハノイ行き弾丸ルートの核心部分ともいえる、中国の高速鉄道編です。香港側から中国本土へと入り、広州南(こうしゅうなん、Guangzhou South)、南寧(なんねい、Nanning)へと、3本の高速鉄道を乗り継いでいきます。

予約は公式アプリ「12306」から

香港西九龍〜南寧間のチケットは、中国鉄道の公式予約アプリ「12306(鉄路12306)」で購入しました。
なお、スマートフォンアプリのほかに、パソコンのブラウザからそのまま予約できるウェブ版(中国铁路12306)も用意されています。アプリと同じアカウントでログインでき、画面が大きい分、乗り継ぎ列車の一覧や座席表をじっくり見比べながら予約したいときはこちらの方が使いやすく感じました。ただし表示は中国語のみなので、ブラウザの翻訳機能を併用するのがおすすめです。
実は香港西九龍から南寧東まで直通する列車(G928、15:34発・19:30着)も1日1本走っているのですが、この便だと南寧発18:05のベトナム行き夜行列車に間に合わないため、今回はG904→D594の乗り継ぎルートを選びました。
日本のパスポートでも会員登録は可能で、アプリ内で「外国パスポート」を選び、パスポートと同じ氏名・生年月日・パスポート番号を入力して登録します。購入前には実名認証(本人確認)が必要で、パスポートの顔写真ページと自撮り写真をアップロードして審査を受ける形です。審査には3〜5営業日ほどかかるとされているので、渡航前に余裕を持って済ませておくのがおすすめです。
チケットの発売開始は乗車日の14日前、中国時間13:30(日本時間14:30)からで、この時刻は列車によって前後することもあるようです。
アプリでの検索・予約の流れ

実際の操作はこうでした。まずアプリで乗車日を選択し、発駅・着駅(香港西九龍→南寧東)を指定して検索します。すると直通列車(先述のG928)が最初に表示されるので、その隣にある「中转(乗り継ぎ)」のタブを選択します。時間順に並び替えると見やすくなりました。

乗り継ぎ列車を選ぶと、「温馨提示(ご案内)」として「本方案は広州南駅での乗り継ぎが必要で、2本の列車の間隔は52分です。ご自身で乗り継ぎに関わる他の要因を十分考慮のうえ慎重に選択してください。これによって生じる遅延リスクはご本人の負担となります」という趣旨の注意書きが表示されるので、それに同意して先に進みます。
| 中国語 | 日本語 |
| 本方案需要在广州南站换乘,两车间隔时间为52分钟。请您充分考虑自身其他各种换乘因素的影响,谨慎选择。由此带来的延误风险由您本人承担。 | 広州南駅での乗り継ぎが必要で、2本の間隔は52分。他の乗り継ぎ要因を考慮して慎重に選び、遅延リスクは自己負担 |
今回選んだのは香港西九龍9時18分発・広州南10時18分着のG904号と、広州南11時10分発・南寧東14時01分着のD594号の組み合わせでした。

座席クラスは2等座・1等座・商務(ビジネスクラス)から選べますが、具体的な座席番号までは指定できず、A〜F(窓側・通路側などの位置)だけを選べる仕様です。
決済はAlipayで行いましたが、日本にいながらAlipayの決済確認ができる数少ない機会でもありました。

アリペイの中に12306のプログラムもありましたが、うまく決済できなかったので、12306で予約しました。
G904・D594の2本合計で615元(約15,375円、1元=25円換算)でした。

支払いを確定する前には「温馨提示(ご案内)」として、香港区間をまたぐチケット特有のルールがポップアップで表示されました。要点をまとめると次の通りです。
- 払い戻し(退票):到着駅が香港西九龍駅の場合は乗車日・列車の発車前までに、出発駅が香港西九龍駅の場合は発車30分前までに手続きが必要。手数料は発車前48時間以内なら運賃の50%、48時間〜7日前なら30%、8日以上前なら5%(1元未満切り捨て)。
- 変更(改签):到着駅が香港西九龍駅なら発車前まで、出発駅が香港西九龍駅なら発車30分前までに手続きが必要で、変更後のチケットは払い戻し不可。
- 乗車:チケットに記載された日付・列車・座席クラス通りに乗車すること、有効な出入国書類・査証(ビザ)を携帯することが必須(詳細は「広深港高速鉄道跨境旅客運輸組織規則」を参照とのことです)。


決済画面には「海外の銀行カードで200元以上のお支払いの場合、国際カード手数料がかかる」という注意書きが表示され、実際に3%の手数料が上乗せされていました。無事に決済完了。

チケットを確認するには、「我的订单(マイチケット(購入した予約の一覧))」から「本人车票(ご本人のチケット)」に進むと見ることができました。
列車の詳細情報
意外にも列車の細かい設備を確認できます。
G904 香港西九龍→広州南 復興号 CR400BF重連型


12306アプリで確認したG904号の車両情報。香港西九龍→広州南、復興号「CR400BF重連型」で16両編成・全長418m・定員1152人・最高設計速度350km/h。
D594 広州南→南寧東 和諧号 CRH2A重連型


同じくD594号の車両情報。広州南→南寧東、和諧号「CRH2A重連型」で16両編成・全長402m・定員1226人・最高速度250km/h。
佐敦(ジョーダン、Jordan)駅から香港西九龍駅への道のり

まずは九龍にある佐敦(ジョーダン、Jordan)駅のMTRに到着しました。ちなみにこの「Jordan」、中東の国名とは無関係で、20世紀初頭にこの地域の道路が名付けられた際の英国駐華公使サー・ジョン・ジョーダンにちなむ英語表記なのだそうです。
ここから中国本土まで走る高速鉄道に乗るために、香港西九龍(にしくーろん、West Kowloon)駅に向かいます。駅構内にはかなり高速鉄道への案内表示があり、「高速鉄路 High Speed Rail」というオレンジ色のサインに従って歩いていけば着くだろうと判断しました。駅のC2出口を出て地上を数分歩くと着くという案内です。ちなみに、香港西九龍駅は柯士甸(オースティン、Austin)駅と出口を共有しているようです。

地上に出て道路の突き当たりまで進むと、大きな中央分離帯のある道路にぶつかりました。どちらに進むか迷っていると、地下道に続く入口を発見。案内地図を見ると「1番出口」に向かうルートだとわかったので、そのまま地下を進んでいきます。


地下をどんどん進んでいくと、右側にオースティン駅の改札口、左側には香港西九龍駅に向かう通路という分かれ道がありました。左に進んで少し歩くと、ようやく空港のように広い空間に到着。

ここが香港西九龍駅、高速鉄道の駅でした。「離港(香港を離れる)」という趣旨の大きな案内表示もあり、いよいよ国境を越えるのだと実感します。※中国ですが。

香港西九龍駅、出境・入境のリアル
顔認証ゲートと手荷物検査

予約は中国高速鉄道の公式アプリ「12306」で購入済みなので、まずはこのチケットで通過できる改札へ向かいます。外国人でも地上通路の自助(セルフサービス)改札機から入れそうだったので、パスポートをかざして通過を試みると、あっさり通過できました。

続いて顔認証のゲートを1つ通過し、その後は空港のような手荷物検査と身体検査があります。エスカレーターで1つ下のフロアへ降りると、A番の窓口でパスポートを提示するカウンターがあり、通過すると免税店エリアが現れます。
中国側の税関ゾーンへ

税関に並ぶ前に、中国のオンライン入国カードをしていない人が滞留しているので、そこをうまいこと通過していきます。

オンライン入国カードはこちらから。
ここから先が中国側の税関ゾーンで、外国人と中国人の列が分かれる形でした。
🟠 私「(パスポートを提示)」
🟢 係員「Do you have a Chinese visa?」
🟠 私「No」
特に何事もなく、そのまま通過することができました。パスポートには中国入国スタンプが押されていました(まだ香港にいるのに)。
※このあたりの出境・入境の細かい手順は、香港と中国が同じ建物内で審査を行う「一站両検(一つの駅で香港・中国双方の検査を行う)」方式によるもので、実際には手荷物のX線検査→香港側の出国審査→免税店エリア→境界線→中国側の入国審査、という流れが一般的なようです。私の記憶とは前後している部分もあるかもしれませんが、体験ベースの時系列としてご了承ください。

このあとさらに荷物検査があり、スーツケースを持っている人とそれ以外の人とで列が分かれます。圧倒的にスーツケース持ちが多く、身軽な人はすいすい進んでいました。これを通過すると、大きな待合ホールに到着します。7時45分に高速鉄道の入り口でパスポートをかざしてから、8時過ぎにはもう待機場所にいたので、この日はそこまで混雑していなかったのかもしれません。
所要時間は15分ほどでした。

待合フロアには飲食店が多く見えましたが、いったん入ってしまうと出られなさそうな雰囲気だったので、事前に食事を済ませておくか、下調べしておいた方が良さそうです。
高速鉄道 乗り継ぎルート早見表
| 区間 | 列車番号 | 出発 | 到着 | 所要時間 | クラス | 運賃(円換算) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 香港西九龍 → 広州南 | G904 | 09:18 | 10:18 | 1時間 | 2等座 | 215元(約5,375円、1元=25円換算) |
| 広州南 → 南寧東 | D594 | 11:10 | 14:01 | 2時間51分 | 1等座 | 400元(約10,000円、1元=25円換算) |
| 南寧東 → 南寧 | D3838 | 14:31 | 14:43 | 12分 | 2等座 | 9元(約225円、1元=25円換算) |
※広州南での乗り換え時間は52分でした。
1本目:G904号「復興号CR400BF」で広州南へ

改札は列車出発の15分前になるとゲートが開き、5分前に閉まるという案内がありました。15分前になると改札開始。

中国の方は身分証(ICカード型)をタッチして通過していきますが、私はアプリで発行されたQRコードをかざしてみるも、なかなかうまく反応せず、最終的にパスポートをかざすとすんなり通過できました。

乗車したのは復興号(ふっこうごう、Fuxing Hao)というタイプの車両で、車体には「CR400BF」の型式番号が入っていました。12306アプリで確認すると「CR400BF重連型(じゅうれんがた、8両編成を2本つないだ16両編成)」とのことで、全長418m・定員1152人・最高設計速度350km/hというスペックでした。


座席は2等座を予約したので、2列+通路+3列というシート配置でした。隣には見知らぬ中国人のおばちゃんが座ってきて、何を言っているかは分かりませんでしたが、スーツケースを上の棚に上げてほしいというジェスチャーだったので、上げてあげました。

電車は定刻の1分ほど前にはすでに走り始めていました。しばらくは地下を走行し、いつの間にか地上に上がったタイミングで、おそらく中国本土に入ったのだと思います。途中、深圳北(しんせんきた、Shenzhen North)に5分、虎門(こもん、Humen)に2分停車してから広州南に向かいます。車内の電光掲示板には速度が表示されており、最高設計速度は350km/hとのことなので、区間によってはもっと出ていたのかもしれません。

ところどころで線路の分岐も見え、色々な方面に列車が向かっていくのだと実感します。
広州南駅、52分の乗り換えミッション

広州南駅には定刻通りに到着しました。降りてすぐ、灰皿の周りに喫煙者が集まっていて、なかなか煙たくなります。

床には「便捷換乗 Transfer」「請直行(このまま直進、の意味)」という矢印つきの案内表示があり、これに従って歩いていくと、乗り換え専用の改札機があり、チケットのQRコードをかざすと待合室にたどり着けます。ここではパスポートではなく、QRコードでの通過でした。到着したのは11番線だったようです。

次に乗るD594号は南寧東行きで11時10分発、乗り場は27番線とのことでした。

1時間弱の待ち時間がありましたが、まさか駅のホームが27番線まであるとは思わず驚きました。それだけ広いホームには飲食店やコンビニのようなものもあり、時間をつぶすのに困りません。ただし椅子はほとんど埋まっていて、場所取りはなかなか大変でした。




待合ホールには「利口福(LIKOFU)」や「湖南米粉」といった飲食店が並び、プラットフォーム側には27番線を示す案内板も見えました。
出発時間が近づくと改札に行列ができはじめるので、それに従って並び、チケットのQRコードをかざしてまた入場します。

次に乗る列車を正面から撮影したくて先頭車両まで歩いてみました。

駅員に呼び止められるという噂もあったので恐る恐る近づくと、「これより先には進まないように」というラインがあったので、その手前から無事に先頭車両を撮影できました。車体には「CRH2A-2279」の型式番号と「和諧号」の文字、それに見慣れた「CRH」のロゴが入っていました。
2本目:D594号「和諧号」は新幹線E2系がベース

D594号は和諧号(わかいごう、Hexie Hao)というタイプで、車両型式はCRH2A型でした。広州南から南寧東までは3時間弱の乗車時間だったので、1等座を予約。外観も内装も色合いも、日本の東北新幹線E2系にそっくりでした。

調べてみると、CRH2A型は2001年から製造されたE2系1000番台をベースに、川崎重工業が完成車両と部品を輸出し、生産技術を中国側へ譲渡する形で開発された車両とのことです。モーターはE2系1000番台と同一である一方、電動車と付随車の構成比が異なり(E2系は8M2T・最高速度275km/h、CRH2A型は4M4T・最高速度250km/h)、最高速度は抑えられているそうです(出典:中国高速鉄道CRH2型電車 – Wikipedia)。道理で見覚えのある顔立ちだったわけです。

中国の高速鉄道は思っていた以上に定時運行が徹底されていて、どんどん進んでいきます。1等座は肘掛けから折りたたみ式のテーブルが出てくるタイプで、足元にはコンセントもあり充電も可能でした。

12306アプリで確認すると、この列車は「CRH2A重連型」で16両編成・全長402m・定員1226人・最高速度250km/hとのことです。広州南駅を11時10分に出発し、途中の仏山西(フォーシャンにし、Foshan West)駅では2分停車(定刻より2分早着とのアナウンス)を挟みつつ、南寧東駅には定刻通り14時01分に到着しました。
南寧東駅からラストラン、D3838号で南寧駅へ

乗車中に、南寧東から南寧までの区間もあらかじめ予約しておいたので、乗り換えの案内に従って歩いていきます。乗り換え用の改札を抜けると待合室にたどり着くという流れは、広州南駅と同じでした。

待合スペースにはこちらも店が多く、時間をつぶすのに困りません。

肉まんを見つけたので買ってみました。ただし乗り換え時間はあまりないので、すぐに改札へ。QRコードをかざすとすぐに乗車可能になりました。



改札は「6B」「7B」の表示があるゲートに長い行列ができるほどの混雑ぶりでした。
次に乗るD3838号は南寧東と南寧を結ぶわずか1駅、12分だけの乗車です。座らなくても良さそうな距離でしたが、車内は全体的に混雑していたため、座れる席には座っておいた方が安全そうでした。


14時31分発、14時43分に南寧駅へ到着。この電車もほぼ定刻通りでした。ホームの発車案内には「14:31 開往 大理」の表示があり、車両はこちらも和諧号タイプでした。列車全体としては広州から大理(だいり、Dali)まで走る長距離列車のようで、中国の鉄道ネットワークの広さを実感する場面でもありました。

改札を出ると、駅前の道路に出るまで少し歩きます。この先、ベトナム・ハノイ行きの国際寝台列車の切符を買うために、もう一度窓口へ向かうのですが、一旦駅の外に出なければならないというのが、少し面倒なポイントでした。
香港から陸路で中国国内を高速鉄道で移動するルートは、飛行機に比べると時間はかかるものの、車窓の景色や乗り換えの過程も含めて旅の醍醐味を感じられるルートだと思います。同じルートを検討されている方の参考になれば嬉しいです。








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