2026年のお盆休みは、香港エクスプレスと中国の高速鉄道、そして国境を越える夜行列車を乗り継いでベトナム・ハノイを目指します。飛行機だけの直行ルートではなく、あえて陸路をつなぐ弾丸プランの実際の予約内容と費用、うまくいかなかった時の保険プランまで、計画の全過程をまとめました。
はじめに
これまで何度か「ベトナムに行きたい」という気持ちだけが先行して、航空券やスケジュールを調べる記事を書いてきました(ホーチミン旅行の航空券予約に失敗した話では、安いチケットを見逃して悔しい思いもしました)。そんな調査だけの日々でしたが、いよいよ2026年の夏、お盆休みを使って本当にベトナムへ行くことになりました。
今回の目的地はハノイです。しかも今回は、ただ飛行機で飛ぶだけではなく、香港から中国の高速鉄道を乗り継いで、国境を越える夜行列車でベトナムに入るという、かなり寄り道感のあるルートを計画してみることにしました。この記事では、その計画の過程をまとめていきます。
訪問目的
今回の一番の目的は、もちろんハノイ観光そのものですが、私にとってはそれと同じくらい「移動そのもの」も楽しみのひとつです。香港エクスプレスでそのままハノイに飛んでしまえば早いのですが、せっかくなら中国の高速鉄道に乗り継ぎ、さらに国境を越える国際夜行列車に乗るという体験をしてみたいと思い、あえて遠回りのルートを選ぶことにしました。お盆の時期は直行便の価格も上がるので、コスト面でもこのルートには十分メリットがあります。

ルートの選択肢を考える

Googleフライトでいつものように航空券を検索してみると、羽田からハノイへの直行便もありますが、香港エクスプレスの乗り継ぎ便がお盆にしてはかなり安い価格で出ていることに気づきました。香港エクスプレスは香港を拠点にしている航空会社で、羽田発の便がかなり多く出ているので選択肢が広いのが印象的です。
選択肢1:香港エクスプレスでそのままハノイへ
羽田→香港→ハノイと、香港エクスプレスの乗り継ぎでそのまま向かう、いちばんシンプルなルートです。
選択肢2:中国の高速鉄道+国境越え夜行列車
香港から中国の高速鉄道に乗り継ぎ、中国から国境を越える夜行列車でベトナムに入るルートです。少し面倒ですが、面白そうなので今回はこちらで計画を進めることにしました。
航空券
往路:羽田→香港(香港エクスプレス)

Trip.comで羽田空港発・香港着の片道を探してみると、羽田を1時発、香港に4時40分着のUO623便が ¥25,840 で発売されていました。早朝に香港に着けば、そこから中国の高速鉄道で南寧に向かう時間をしっかり確保できるので、この便で決定しました。

香港エクスプレスは手荷物の制限が厳しいことで有名な航空会社です。今回はTrip.comの一番安いプラン(エコノミー・受託手荷物なし)を選んだので、座席下に収納できる小さな荷物しか持ち込めません。荷物をしっかり預けたい場合は、最初から荷物付きのプランを選んだほうがいいと思います。決済画面では座席指定(有料・確か¥5,670ほど)も選べましたが、お金がかかるのでここはスキップして、そのまま無事に決済できました。

復路:ハノイ→香港→羽田(キャセイパシフィック航空)

帰国便はキャセイパシフィック航空にしました。ハノイ→香港の直行便もありますが、香港乗り継ぎで羽田まで戻る便が5万円いかないくらいで見つかり、往路と同じくらいの価格でフルサービスキャリアに乗れるのはお得だと思い、こちらを選択しました。

- CX740便:ハノイ10:50発 → 香港14:05着
- (乗り継ぎ時間 約2時間15分)
- CX542便:香港16:20発 → 羽田21:35着

フルサービスキャリアなので、多少の遅延があってもある程度は安心できます。座席指定は追加料金がかかりそうなので、48時間前から始まるオンラインチェックインのタイミングで、無料で選べるか試してみようと思います。
これで復路は ¥53,224 で確保できました。往路のUO623便(¥25,840)と合わせると、往復合計は ¥79,064 です。
| 区間 | 航空会社 | 便名 | 時刻 | 料金 |
|---|---|---|---|---|
| 羽田→香港(往路) | 香港エクスプレス | UO623 | 1:00発→4:40着 | ¥25,840 |
| ハノイ→香港(復路) | キャセイパシフィック | CX740 | 10:50発→14:05着 | 乗継合計 ¥53,224 |
| 香港→羽田(復路) | キャセイパシフィック | CX542 | 16:20発→21:35着 | (上記に含む) |
| 往復合計 | – | – | – | ¥79,064 |
中国の高速鉄道を予約する(12306)

香港から中国本土に入ったあとは、高速鉄道で南寧(南宁、Nanning)まで移動します。予約サイトは中国鉄道公式の「12306」を利用しました。前回の北京旅行のときはTrip.comで購入しましたが、12306のほうが手数料が少ないというウワサで、今回はこちらを使うことにしました。中国の高速鉄道は出発の2週間前から予約が可能です。
直通列車もあるが、時間が合わない

実は香港西九龍(西九龍、West Kowloon)駅から南寧東(南宁东、Nanning Dong)駅まで直通の列車が1日1本走っています。ただしこの便は香港西九龍を15:34発、南寧東に19:31着で、これだと後述する南寧発18:05のベトナム行き夜行列車には間に合いません。
そのため今回は、乗り継ぎ便を使って早めに南寧入りするルートで計画することにしました。
乗り継ぎルート:香港西九龍→広州南→南寧東

乗り継ぎ駅を検索してみると、広州南(广州南、Guangzhou Nan)駅で多くの便が乗り換えできることがわかったので、このルートで計画します。
| 区間 | 列車番号 | 時刻 | 所要時間 | 座席 |
|---|---|---|---|---|
| 香港西九龍→広州南 | G904 | 9:18発→10:18着 | 1時間 | 2等席(215元/約5,160円) |
| (広州南で乗り換え) | – | 52分の乗り継ぎ | – | – |
| 広州南→南寧東 | D594 | 11:10発→14:01着 | 2時間51分 | 1等席(400元/約9,600円) |
1本目のG904は乗車時間が短いので2等席(215元/約5,160円、1等席は344元/約8,256円)で十分だと判断しました。
2本目のD594は乗車時間が長いのと、違う車両にも乗ってみたかったので、1等席(400元/約9,600円、2等席は250元/約6,000円)を選びました。
初めての中国高速鉄道の途中駅乗り換えなので、52分という少し余裕のある乗り継ぎ時間を確保しています。

この2本は12306でまとめて予約できました。以前パスポート番号の入力ミスで乗れなかったことがあるので、今回は番号の確認を入念に行いました。
座席の完全指定はできませんが、窓側・通路側・真ん中といったざっくりした希望は選択できます。
決済はアリペイで行い、Alipayが日本のクレジットカードでも問題なく使えることが確認できました。合計615元(約14,760円)に、国際カード手数料3%が加算されて 633.45元(約15,203円) の支払いとなりました。
乗り継ぎ列車なので「遅延した場合は自己責任」という注意書きが並んでいて少し不安になりましたが、そのまま決済を完了させました。チケットはQRコードで表示される仕組みなので、南寧東駅に着くまでの間に、そこから先の南寧駅への移動方法を考えておこうと思います。

高速鉄道の乗継は、乗継専用の改札から待機場所に行きます。次の列車の改札が15分前に始まり、3分前に終了しますので、それを考慮して30分以上見込んだ方がいいです!
南寧からハノイへ、国境を越える夜行列車

南寧から先は、ベトナムのハノイまで直通する国際夜行列車を使います。この区間は現地(南寧駅)でしか購入できないチケットなので、事前情報を集めておきました。
調べてみると、この列車は中国側ではT8701次、ベトナム側ではMR2という列車番号で運行されている国際列車で、南寧駅を18:05に出発し、翌朝ベトナム時間の5時30分にハノイ近郊のザーラム(Gia Lâm)駅に到着します(所要13時間45分)。南寧→扶綏(扶绥、Fusui)→崇左(崇左、Chongzuo)→寧明(宁明、Ningming)と中国国内を進み、凭祥(凭祥、Pingxiang)で中国側の出国審査を受けます。国境を越えるとベトナム側の入国審査地点であるドンダン(Đồng Đăng)、そこからバクザン(Bắc Giang)を経てザーラムに至るという経路です。

料金は215元(1元=24円換算で約5,160円)とかなり割安です。ただし12306ではオンライン購入ができず、南寧駅の窓口での対面購入、しかも現金決済のみという点は要注意です。これは以前、北京旅行で万里の長城に行く高速鉄道のチケットを現地窓口で買ったときも現金しか使えなかった経験があるので、中国の高速鉄道は「窓口決済=現金のみ」というのが基本パターンなのかもしれません。何でもQR決済で済む中国の中で、ここだけは唯一の注意ポイントだと思います。
なお、この国際列車は2025年5月24日に運行を再開したばかりで、しばらく運休していた時期もあったようです。逆方向(ハノイ→南寧)はKlookなどオンラインで購入できる情報も見つけましたが、南寧→ハノイ方向は現地購入のみと事前にわかっているので、出発の18時ぎりぎりにならないよう、南寧東駅に着いたらできるだけ早く南寧駅へ向かうことにします。
これがうまくいけば、翌朝にはハノイに到着している計画です。
中国高速鉄道(12306)のサイトに時刻表と金額が載っています。
うまくいかなかった時のためのプランB・C・D

乗り継ぎだらけの計画なので、うまくいかない可能性ももちろん考えておきます。
- プランB:夜行列車のチケットが買えなかった場合、南寧駅から少し歩いたところにあるバスターミナルから、ハノイ行きのバスに乗る
- プランC:それも難しい場合は、南寧空港からハノイまで飛行機で移動する。お金はかかりますが、限られた日程の中では仕方がない選択です
- プランD:それでもダメな場合は、中国の高速鉄道で香港まで引き返し、もともと予約していた香港発の帰国便に乗る。ベトナムには行けなくなってしまいますが、最悪でも帰国だけは間に合わせるという保険です
ここまで段階を踏んで保険を用意しておけば、多少のトラブルがあっても慌てずに対応できそうです。
中国電話番号付きsim
あとでわかりますが、寝台列車は売り切れで、プランBのバスで向かうことになります。そこで必要になるものは中国の電話番号です。
事前に購入しておくか、いざとなったらesimをダウンロードして、バスの予約をできるようにしましょう!
ホテル手配
ホテルは今の段階では目星をつけておくだけにしています。ハノイでは、現地決済・チェックインまでキャンセル無料の宿を候補にしました。万が一夜行列車に乗れなかった場合でも予定を調整しやすいですし、南寧で一泊することになった場合に備えて、南寧側の宿泊先候補も一応押さえておくつもりです。
現金の準備
3カ国をまたぐルートなので、現金がどのくらい必要かも国ごとに整理しておきます。
香港

香港到着後は、空港で朝ごはんを食べる予定です。交通機関はクレジットカードのタッチ決済に対応していますが、飲食店は現金のみというお店が多いので、到着後にキャッシングで香港ドルの現金を用意しておくことにします。
中国

高速鉄道のチケットはあらかじめオンラインで決済済みですし、買い物などはアリペイやWeChat Payを使えば現金なしで過ごせそうです。ただし、南寧からの夜行列車のチケット(215元/約5,160円)は現金払いのみなので、ここだけは事前に人民元の現金を用意しておく必要があります。
ベトナム

ベトナムはGrabなどの配車アプリ以外はほぼ現金社会とのことなので、入国後にキャッシングでドンの現金を用意する予定です。桁数が多いので、間違えないようにしましょう。

1万円両替すると、1,640,000ドン!

必要なアプリ
移動がメインの今回のルートなので、中国とベトナムでそれぞれ使うアプリも整理しておきます。スマホのフォルダごとにまとめてみました。
中国で使うアプリ
香港から中国本土に入ると、GoogleマップやGoogle検索がほぼ使えなくなるので、事前にこのあたりのアプリを入れておく必要があります。
- 支付宝(Alipay):中国国内の決済は基本的にこれ一択です。以前の北京旅行のときに日本のクレジットカードを紐づけて使えることを確認済みなので、今回もそのまま使う予定です。南寧発の夜行列車のチケットだけは現地窓口での現金購入のみですが、それ以外の買い物やレストランでの支払いはほぼアリペイで完結できそうです
- WeChat(微信):決済(WeChat Pay)もできますが、今回はどちらかというと連絡手段として準備しています。ホテルや現地の人とのやり取りで使うことがあるかもしれないので念のため入れておきます
- 高徳地図(Amap):中国ではGoogleマップが実質使えないので、地図アプリはこちらか百度地図のどちらかが必須です。外国人旅行者向けの「AMap Global」版が比較的使いやすいという情報が多かったので、南寧や広州南駅での乗り換え時のナビ用に入れておきました
- 百度地図(Baidu Maps):高徳地図と並んで中国で広く使われている地図アプリです。地図アプリは1つだと表示が偏ったり検索に引っかからなかったりすることがあるので、念のため両方入れて使い分けられるようにしておきます
- 鉄路12306:中国国鉄の公式チケット予約アプリです。香港西九龍→広州南→南寧東の高速鉄道もこのアプリ(またはWebサイト)から予約しました
ベトナムで使うアプリ
南寧からの夜行列車でハノイに着いたあとの移動用に、ベトナムのアプリもいくつか準備しています。
- Grab:東南アジア全域で使える定番の配車アプリです。ザーラム駅やホテルまでの移動、市内の足として、まずはこれを入れておけば安心です
- Green SM(Xanh SM):ベトナムのVinグループが展開する、電気自動車のタクシー・配車サービスです。最近ベトナムで急速にシェアを伸ばしているとのことで、Grabと並ぶ選択肢として比較しながら使ってみようと思っています
- be:ベトナム発の配車アプリで、バイクタクシー・車どちらも呼べます。Grab、Green SMと合わせて、料金や待ち時間を比較しながら使い分ける予定です
- BusMap Hà Nội:ハノイ市内のバス路線を検索できるアプリです。配車アプリだけだと料金がかさむので、路線バスも使えるように入れておきました
- TNGo:ベトナムで広がっているシェアサイクル(電動バイク・自転車)サービスです。ホーチミンから始まって全国的にサービスエリアが拡大しているとのことなので、ハノイ市内の短距離移動や観光に使えそうです
ビザ・入国まわりの確認

乗り継ぎが多いルートなので、各国の入国条件も事前にしっかり確認しておきました。
香港
香港入境事務處の公式情報で確認したところ、日本旅券であれば90日以内の滞在はビザ不要とのことでした。条件として、就労はしないこと、滞在費用をまかなえる資力があること、香港からさらに中国本土・マカオへ向かう場合を除いて出国用の航空券(オンチケット)を持っていることが挙げられています。パスポートの残存有効期間については同ページに具体的な記載がなかったので、念のため滞在日数以上の余裕を持たせておくつもりです。入国カードも廃止されているので、手ぶらで入国できます。
中国(南寧・広州エリアの通過)
中国の入国カードについて在中国日本国大使館の案内を確認したところ、紙の入国カード自体は廃止されておらず、2024年11月20日から始まったオンライン申告(国家移民管理局の公式サイトやWeChat・Alipay内のミニプログラムなど)を事前に済ませておけば、到着時の手続きが省略できるという仕組みでした。前回の北京旅行のときと同じように、今回も出発前にオンラインで済ませておこうと思います。

オンライン入国カードはこちらから。
ビザについては、中華人民共和国駐日本国大使館が発表している「一方的ビザ免除政策」の対象に日本が含まれていることを確認できました。2024年11月30日から実施されているこの制度は、日本を含む38カ国の一般旅券保持者が対象で、商用・観光・親族訪問・交流・トランジット目的であれば、30日以内の滞在はビザ不要というものです(2026年12月31日まで延長が決定しています)。海・陸・空すべての入国経路に適用されると明記されているので、香港から高速鉄道で陸路入境する今回のルートも対象になりそうです。パスポートの残存有効期間は、中国滞在日数以上あれば問題ないとのことです。
ベトナム
在ベトナム日本国大使館の公式情報によると、日本国籍であれば45日以内の滞在はビザ不要です。ただし、パスポートの残存有効期間は入国時点で6か月以上必要という条件があるので、ここは要チェックです(滞在日数分あればいいという話ではありませんでした)。また、国際空港からの入国であれば入出国カードの提出は不要とのことですが、陸路での入国の場合は記入を求められることがあると案内されていました。南寧からの夜行列車で陸路国境を越える今回は、念のため入国カードが必要になる可能性も考えておこうと思います。
参考にした公式情報
- Visit Visa / Entry Permit Requirements(香港入境事務處)
- 外国人入国カードのオンライン申告(在中国日本国大使館)
- 一方的なビザ免除政策に関するQ&A(中華人民共和国駐日本国大使館)
- 一方的なビザ免除政策の延長に関するお知らせ(中華人民共和国駐日本国大使館)
- ベトナム出入国情報(在ベトナム日本国大使館)
まとめ・次回
香港エクスプレスで羽田から香港へ飛び、中国の高速鉄道で広州南・南寧東を経由し、南寧発の国際夜行列車でハノイに入るという、かなり寄り道の多いルートで計画を進めることにしました。飛行機だけなら往復¥79,064で完結してしまうところを、あえて陸路・鉄路をつなげてみるのが今回の挑戦です。プランB〜Dまで保険を用意してはいますが、実際にどうなるかは当日のお楽しみです。








コメント