台湾1泊3日旅行|台北101を望む鉄道博物館へ
アクセス

台湾1泊3日旅行の観光の一つとして、台北鉄道博物館(Railway Museum)に行ってきました。
台北101を背景に鉄道の歴史を感じられるスポットで、鉄道好きの方はもちろん、一般の旅行者にもおすすめです。
初日の流れ、全体スケジュールはこちらから👇

鉄道博物館
見どころは非常に多いですが、この日はほかの予定もあったため、滞在時間は約1時間半でした。
鉄道博物館の概要と入場料

入場の際に少し戸惑うかもしれません。というのも、明確な受付がないため「どこから入るの?」と迷ってしまう人も多いです。
台湾らしい少しゆるい雰囲気を感じます。
おすすめの入場はしっかりとした正面入り口。Googleマップのストリートビューでは工事中ですが、しっかり入場できます。
施設内の「柴電工場(ディーゼル機関車工場)」のみ入場料100元が必要で、その他の展示エリアは無料で見学できます。
有料エリアにはゲートがあり、QRコード付きチケットがないと入場できない仕組みなので、間違って入場してしまう心配はありません。
このエリアは見応えがあるので、ぜひチケットを購入して見学しましょう。
総合事務所棟(歴史展示エリア)

一見、何の建物かわかりにくいですが、鉄道の歴史に関する展示を行っているエリアです。

昔の切符販売や駅弁販売の様子が再現されており、台湾鉄道の文化を感じることができます。
動態保存車両の乗車体験

館内では、ディーゼルカー「藍皮車」に実際に乗車できる体験も行われています。
運行は1両編成で、大人150元。
ただし運行時間が限られているため、見学の際はスケジュールを確認しておくのがおすすめです。
柴電工場(ディーゼル機関車工場)

この柴電工場(ディーゼル機関車工場)が入場料100元かかる有料エリアです。

ディーゼル工場は、ディーゼル動力車両の保守および整備を担当しており、アメリカの援助時代の交通および土木建設を代表する事例の一つです。大陸工程など複数のメーカーが共同で請け負いました。建物の構造は、プレストレスト鉄筋コンクリート梁による大スパン構造で、壁体はレンガ造りです。建物は南に向かって段階的に高さを下げた三層の階段状デザインで、側壁から採光を取り入れて室内の明るさを高めています。北側には「電機第二工場」と「内燃機工場」があり、それぞれ発電機・モーターおよびディーゼルエンジンの整備を担当しています。南側のやや低い部分には、検査ライン、部品整備、事務室の区画などがあります。後に周囲には台車修理場、洗浄場、出力試験室などの付属施設が次々と増設されました。

建物の中に入ると、まずはSP32850型莒光号客車が展示されています。

入館日パネルがありますので、記念写真を撮ることもできます。

チケットをお持ちではない方は、柴電工場でも購入できます。ここからはゲートを通過します。

かなり細かくディーゼル機関車の整備がわかるように順序立てて展示していました。

吹塵装置(Dust Blower)
ディーゼル機関車の主発電機や牽引モーターなどの部品を車体から取り外した後、
天井クレーンまたはホイストで吊り上げ、吹塵装置に運び込みます。
そこで表面に付着した煤やほこりを清掃し、その後の点検・整備作業を行います。

漢字圏である日本人は正確な意味が分からなくても、だいたいの意味は読み取ることできますが、この車両メンテナンスコードは初めて見ました。作業員同士の確認として使われていたそうです。
この後の展示車両、展示物でも車両メンテナンスコードを見かけました。

台車です。展示のものは3軸でした。歯車、コイルスプリング(サスペンション)、ブレーキ、ベアリングの部品。

牽引モーター軸受潤滑グリース加量表
Traction Motor Bearing Lubrication Grease Reference Chart
軸受は、回転部品を支えて安定して運転させるための部品です。
牽引モーターは長時間にわたり高負荷・高温・振動の多い環境で稼働するため、
金属摩擦による摩耗を減らす目的で、作業員は潤滑油脂を用いて内外の軸受を潤滑します。
動力車の種類によって必要な潤滑グリースの量は異なるため、
作業員は各部品に応じて「牽引モーター軸受潤滑グリース加量表」を作成し、
適切な量を注入することで作業効率を高めています。

メイン発電機。エンジンを使用して発電させ、その電気で車輪を回転させます。

S200型ディーゼル機関車。車両中央部分の中身を見ることができます。時間になるとディーゼル機関車の運行の仕組みの展示が始まります。エンジン、発電機からどのように走り出すのか原理を見ることができます。
入換用ディーゼル電気機関車
S212号機関車は、台湾鉄道が入換作業用に米国GM-EMD社から輸入したものです。2021年、鉄道博覧会準備室は、この機関車を引退前の姿に復元しました。屋根上エアコンや車端部窓といった後期の改造部分も保存し、電化時に採用されたオレンジ色の塗装も復元されています。オリジナルの姿に復元されたS206号機関車とともに、台湾の鉄道発展における電気式ディーゼル機関車の多様な時代を物語っています

376号蒸気機関車とサトウキビ車
サトウキビ畑を走る列車
砂糖鉄道蒸気機関車376号の車体に描かれた「斗」の文字は、かつて斗六製糖工場で活躍していたことを示しています。後部には、かつてサトウキビの穂先を運ぶために使われていた伝統的なサトウキビカートが連結されています。当時、サトウキビの収穫は主に手作業で行われていました。作業員たちは細いサトウキビをカートに整然と積み上げ、滑り止めの金属製の手すりで固定していました。これは砂糖鉄道輸送に欠かせない作業でした。2021年、鉄道収集家の戴勝堂氏(大鼎飲食グループ会長)から鉄道博覧会準備室に寄贈されました。2024年には、専門家や学者による調査と専門チームによる修復を経て、特別に設計された展示ブースが設置され、蒸気機関車の運行原理が展示される予定です。

583系。もちろん日本で使われていた車両。

「わくわくドリーム号 舞浜行」の幕表示。車内はは入れませんでしたが、通常の座席と寝台しにした状態の2つを見ることができました。

S200型ディーゼル機関車。
入換用ディーゼル電気機関車
1960年代以降、台湾鉄路管理局(TRA)は米国の援助を受けてS200形およびR20形の電気式ディーゼル機関車を購入しました。これらは、ディーゼル化時代に台湾に最初に導入された機関車の一つでした。R20形は幹線運行に使用され、S200形は主に入換車両として使用されました。入換車両以外にも、S200形は優れた性能を有していたため、山岳線の補助機関車や屏東線および南聯線の旅客列車の主機関車としても使用されました。

1960年代の台湾鉄路。ここの鉄道博物館が車両基地、工場がある理由がわかります。現在は地下化されているので。
風呂場

工場には職員用の浴場(風呂)があったようです。結構広い。

水道の蛇口があった場所には、ちょっとした展示もあります。

これは風呂なのか。そうなら、結構深めの風呂です。何分かに一度、蒸気が上がり、浴場感がでます。
組み立て工場

入口は何か所ありますが、乗車体験の博物館東駅近くから入っていきます。

つい先ほど博物館内を走行していた車両がありました。

復興号。

観光号。

32750型食堂車。
飲食はできませんが、乗車することはできます。
まとめ
台北鉄道博物館は、台湾の鉄道の歴史や文化を間近で感じられる、とても魅力的なスポットです。
展示車両や整備工場のリアルな様子を見学したり、実際に動くディーゼルカーに乗ったりと、“体験型”の楽しさが満載。
台湾鉄道の奥深さや整備の丁寧さを感じられるだけでなく、台北101を背景に写真を撮れるのも嬉しいポイントです。
鉄道ファンはもちろん、初めて台湾を訪れる旅行者にもおすすめ。台北観光の合間にぜひ立ち寄って、思い出に残る時間を過ごしてみてください。


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