葬儀は、突然訪れることも多く、慌ただしい中で手配を進めなければならないケースも少なくありません。そんな時、費用や相場について知らないと、知らず知らずのうちに高額請求されてしまうことがあります。
葬儀には直葬・家族葬・一般葬といった種類があり、それぞれ費用や規模が大きく異なります。また、僧侶に渡すお布施や戒名料、法要費用も加わるため、これらを「トッピング」のように考えるとイメージしやすくなります。
本記事では、葬儀の種類ごとの費用や特徴、さらに僧侶へのお布施や法要費用の目安を整理しました。緊急時にも慌てずに対応できるよう、事前に知識として押さえておくことを目的としています。
・直葬(葬儀会社へ)40万円
・火葬(自治体へ)10万円
※戒名が必要なら(僧侶へ)ウン万円
=最低50万用意しておこう
参列する側のポイントをまとめはこちら。

葬儀の種類

一般葬
- 参列者:親族・友人・知人・会社関係者・地域の方など、幅広く案内
- 規模:数十人~数百人、大規模
- 特徴:通夜・告別式を行い、社会的なお別れの場としての役割がある
- メリット:多くの人に見送られる
- デメリット:費用が高く、準備や対応の負担が大きい
家族葬
- 参列者:親族・親しい友人などに限定
- 規模:10~30人程度、小規模
- 特徴:通夜・告別式を省略する場合もあり、落ち着いた雰囲気でお別れ
- メリット:静かに故人を偲べる
- デメリット:参列できない人が出る可能性
直葬(火葬式)
- 参列者:遺族・ごく近い親族のみ
- 規模:最小限
- 特徴:通夜・告別式を行わず、火葬のみで完結
- メリット:費用と手間が最小限
- デメリット:お別れできる人が限られる
葬儀費用の目安

葬儀にかかる費用は、形式や規模、地域、戒名の位によって変動します。全国平均の目安を整理しました。
葬儀費用概算(品目ごと)
品目 | 説明 | 直葬 | 家族葬 | 一般葬 |
---|---|---|---|---|
祭壇・飾り付け | 仏具・生花・会場設営 | 0〜5万円 | 20〜50万円 | 50〜100万円 |
式場使用料 | 斎場・葬儀会館の利用料 | 0〜5万円 | 5〜15万円 | 10〜30万円 |
火葬料 | 火葬場の費用 | 5〜10万円 | 5〜10万円 | 5〜10万円 |
棺・骨壺 | 棺・骨壺・布団など | 5〜15万円 | 5〜20万円 | 10〜30万円 |
お布施 | 僧侶謝礼・戒名料 | 5〜10万円 | 10〜20万円 | 10〜50万円 |
返礼品・会葬礼状 | 弔問客への返礼品・礼状 | 0 | 5〜10万円 | 10〜30万円 |
飲食費・料理 | 通夜振る舞い・精進落とし | 0 | 5〜15万円 | 10〜30万円 |
その他雑費 | 運搬費・手続き代行・小物 | 2〜5万円 | 3〜10万円 | 10〜20万円 |
合計費用(概算)
平均すると以下の金額がかかっているようでした。
- 直葬:約34万円
- 家族葬:約101万円
- 一般葬:約207万円
僧侶へのお布施と法要費用

戒名料(位による目安)
男性の戒名 | 女性の戒名 | 葬儀お布施の目安 | |
---|---|---|---|
(一般) | 信士(しんじ) | 信女(しんにょ) | 5〜20万円 |
↓ | 居士(こじ) | 大姉(たいし) | 20〜50万円 |
(高位) | 院居士(いんこじ) | 院大姉(いんたいし) | 50万円〜 |
院号になるほど戒名のランクが高くなり、僧侶へのお布施も高くなります。
法要・儀式ごとのお布施目安
法要・儀式 | お布施の目安 | 備考 |
---|---|---|
通夜 | 3〜5万円 | 葬儀当日や前夜に行う読経料。葬儀に含める場合もあり |
告別式 | 5〜10万円 | 葬儀本番の読経料。規模が大きいと増える |
初七日 | 3〜5万円 | 葬儀と同時に行う場合はまとめて渡すこともある |
四十九日 | 3〜5万円 | 法要後の食事(精進落とし)に合わせて渡すことが多い |
一周忌 | 3〜5万円 | 親族中心の法要で渡す |
三回忌 | 3〜5万円 | 一周忌以降も同様の目安 |
年回忌(5年・10年・以降) | 1〜3万円 | 法要のみの場合は控えめ、食事の有無で変動 |
※遠方の僧侶や法要後の食事がある場合は、お車代や御膳料3,000〜1万円程度を準備します。
選び方のポイント
- 直葬:費用や手間を最小限にしたい場合に最適
- 家族葬:内輪で静かにお別れしたい場合におすすめ
- 一般葬:多くの人に見送ってもらい、社会的なお別れを重視する場合
葬儀プランに含まれていないもの
火葬料金
火葬料金は地域や自治体によって大きく異なります。
お住まいの市区町村によっては 住民は数千円〜数万円程度、非住民は数万円〜十数万円 かかるのが一般的です。
目安
- 公営火葬場(住民):無料〜1万円程度
- 公営火葬場(非住民):3万円〜10万円前後
- 民営火葬場:5万円〜10万円以上になることもあります
たとえば、東京都23区内だと民営が多く 7〜10万円前後、地方の自治体直営だと 住民は無料〜数千円 とかなり安く利用できます。
東京23区内の「区民向け(住民向け)公営火葬料金」における 最小料金と 最大料金の区(または施設)の比較について、以下をご確認ください。
区民向け公営火葬場の料金比較
相場を知るという意味で、最大どのくらいになるのかを調べてみます。
最安:臨海斎場
- 対象区:大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区(いわゆる組織区)
- 12歳以上(大人):44,000円
高額:瑞江葬儀所(都営)
- 対象:東京都民(23区を含む住民)
- 7歳以上(大人相当):60,800円
葬儀会社のプランに別途かかる費用として、最低でも10万円追加する心づもりが良いでしょう。
まとめ
葬儀は形式や規模によって費用も大きく変わります。
- 直葬:約30〜40万円、最小限でシンプル
- 家族葬:約100万円、親族中心で落ち着いたお別れ
- 一般葬:約200万円前後、多くの人に参列してもらう社会的なお別れ
費用だけでなく、参列者の数や故人・遺族の希望、地域の慣習も考慮して選ぶことが大切です。
💡 補足
- お布施は「お気持ち」として渡すもの、とは言え、闇の商売ですので相場を渡して、脳のリソースはほかの判断にあてるのがベスト。
- 葬儀の流れや費用は地域差が大きいため、事前に葬儀社や寺院に相談すると安心です。
参考文献
葬儀を検索すると、緊急時の焦りに便乗した広告や、葬儀会社の広告がうっとおしく表示されます。そのため、一般社団法人全日本全日本冠婚葬祭互助協会をみれば、無難な回答がわかるので、参考になります。
書籍を一冊持っておけば流れを把握するのには役立つと思います。
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